初日は、山中湖から畦ヶ丸までの約23kmをヒーコラ言いながら縦走し、畦ヶ丸避難所に宿泊しました。縦走の疲れと、寝酒に呑んだスピリタスが効いて、おそらく8時くらいには深い眠りに落ちました。
深夜2時過ぎくらいから明け方まで、5回くらい動物の物音かなにかにぼんやりと目を覚ましましたが、8時から寝てるので、夜明け5時前にはもうすっかり熟睡していい目覚めです。
さっそく身支度をし、畦ヶ丸避難小屋から100mくらいの畦ヶ丸の頂上へ。コースとしては一度また避難小屋まで引き返すことになるので、ポールとカメラだけ持って行きました。
畦ヶ丸(あぜがまる)1292m ゲットだぜっ
・・・・・ってポケモンみたいですが・・・・・・
背中の荷物がないと足取りがやたら軽くて。頂上から小屋への戻りは軽く100mジョギング♪
バックパックを担いで、一路加入道山(かにゅうどうやま)1418mへ。約4.9kmの道のりへ。
この日の出発時で水の残りは2L。
次の水場は、加入道山の15分くらいの手前のところを、尾根を下ったところに1箇所あるのですが、尾根から往復2時間・・・・・・・
その次に水が手に入るのは、畦ヶ丸から12.6km先の檜洞丸の山荘・・・・・・・・
水汲みに2時間かかるのはヤダなぁってのと、檜洞丸へ2Lあれば十分足りるでしょう!という計算で、水は檜洞丸の山荘で補充することにしました。
さて、この日も最初の方は西丹沢のブナ林を森林浴ハイキング。
昨日から、気になっていたのは、登山道のところどころにある直径4cmくらいの穴。
結構、掘った直後のような痕の穴なのですが、野ネズミとかの寝ぐらかな。。。
人の多い東丹沢方面の登山道ではあんまりみかけませんでした。
畦ヶ丸からいくつかのピークを越え、一度1150mくらいまで高度を下げ、今度はまたいくつかのピークを上り下りしながら徐々に高度を上げて行きます。
加入道山に近づくにつれ、だんだんと大きい木がまばらになり、ところどころ山の稜線が木々の間から見えるようになって来ました。
昨日来た道がようやく見通せました。
左側のピークが畦ヶ丸(あぜがまる)。右側のピークが菰釣山(こもつるしやま)。
こうやって振り返ると、結構歩いた気分。小さい満足。(笑)
加入道山手前の白石峠あたりには、こんなピカピカの大理石がゴロゴロしてました。
丹沢がはるか昔、海底プレートだったころにあった珊瑚礁が、地殻変動の力で長い年月をかけて大理石になったそうです。
白石峠という、峠の名前の由来もそれによるのだとか・・・・・・
そこそこ、登りもあるのですが・・・・・・
初日より水・食料などが3kg減ってるので、歩きも前日に比べると快調。
加入道山まで、あっと言う間でした。
加入道山(かにゅうどうやま)1418m ゲットだぜっ・・・・・
林に囲まれた山頂で、静かな感じです。
次、目指すは、2.4km先の大室山(おおむろやま)1587m。
ところどころ林が途切れ出しました。
さっき登った加入道山の脇から富士山。畦ヶ丸、菰釣山がだんだんと遠ざかって行きます。
足元に生えている植物はバケイソウです。登山道の周りの草木の茂り方に変化が。
程なく大室山到着。
大室山(おおむろやま)1587mゲットだぜ・・・・・・
青い空・・・・・・快調なペースの縦走・・・・・・気持ちいいデス!
次のターゲットの檜洞丸(ひのきぼらまる)1601mが右側に、
その左奥に、その次の蛭ヶ岳(ひるがだけ)1673mが見えてきました。
蛭ヶ岳が丹沢、および神奈川県の最高峰になります。
山中湖からここ大室山まで、神奈川県と山梨県の県境になっている甲相国境尾根をずっと北西に向けて縦走していましたが、ここで甲相国境尾根に別れを告げます。
そして南東に進路を取り、犬越路を経由していよいよ丹沢主稜に突入して行きます。
せっかく1587mまで来ているのですが、
1060mの犬越路(いぬこしじ)まで500m以上一気に下ります。
飲めば飲むほど、食えば食うほど荷物が軽くなって行き、歩みも軽やかに。
丹沢でも1、2と言われるこの長い急勾配も快調に飛ばしました。
犬越路から南側の白石沢方面の眺め。
山陰に隠れてますが、西丹沢自然教室や、白石オートキャンプ場や、ウェルネスキャンプ西丹沢などが、すぐそこにあります。
この辺りになると、昨日とは違って、やや賑やかで10人くらいのハイカーとすれ違いました。
さぁ、ここから檜洞丸へ向けて550m登りです。
特に小笄(ここうげ)、大笄(おおこうげ)、のピークあたりは・・・・・・・
今までの丹沢登山ではなかったナイスな長い鎖場や痩せ尾根が続きます。
この辺で右のふくらはぎがツリました。調子に乗って飛ばし過ぎたかも。
ちょっとペースダウン・・・・・・
檜洞丸の山頂に近くなると、あちこちに名物のハナヤシロがきれいに咲いていましたよ。
私が行った翌週辺りの5月中旬~下旬は、この花を目当てに登るハイカーたちであふれ、檜洞丸は一年で一番にぎやかな時期になるようです。
そして檜洞丸名物長い階段・・・・・ ふくらはぎをピリピリひきつかせながら登りました。
それでもなんとか14:18 檜洞丸(ひのきぼらまる)1601mの山頂に到着。
檜洞丸ゲットだぜ・・・・・
しばし、蛭ヶ岳の眺望を眺めながら、一休み。
20分ほど休んだ後、山頂から少し離れた青ヶ岳山荘に向かう。
戸が閉まっている・・・・・・
鍵は掛かっていない・・・・・
水場にでも行ってるのかな?
この時点で、水の残りは100ccを切っている。
ドライフーズの煮炊きにもちょっと足りないくらい。
お昼も食べないまま、山荘の前のテーブルで休む。
今日は眺望がバツグンにいい。蛭ヶ岳、丹沢山、塔ノ岳、鍋割山・・・・・・・
今まで、塔ノ岳や鍋割山から見ていた、丹沢主稜~丹沢主脈~鍋割山稜という稜線を、
今日は丹沢のヘソのようなユーシン沢をはさんで真向かいの檜洞丸から眺めている・・・・・・・
あの稜線をたどれば、私がかつて登った稜線にぶつかるのだ・・・・・・・
自分の足で歩いた道は、乗り物で通り過ぎただけの道とは・・・・・・
・・・・・なんと言うか感覚的な濃さが違う。
明日には、山中湖から伊勢原駅まで、自分で歩いた道が繋がる・・・・・・
そう考えると、なんか楽しくなってきた。
楽しくなってきたけど・・・・・・・山荘の人が帰って来ないんだよなぁ・・・・・・
既に時間は15時30分。
檜洞丸から蛭ヶ岳まで4.9km。約3時間の道のり。
檜洞丸から次の水場の神ノ川乗越までは2.2km。約1時間15分の道のり。
これ以上遅れたら、蛭ヶ岳の鎖場を夜登ることになり危険かな・・・・・・
檜洞丸の山荘に泊まってもいいんだけど、もし小屋番の方が帰って来なかったら、今晩の飯も水もないので悲惨・・・・・・
次の水場までなら、水なしでも十分行ける・・・・・・
水さえあればビバーグも可能・・・・・・・
って感じでそれから16時まで待ちましたが出発。
檜洞丸からの下りは、これがまた結構な急勾配で、疲れた足にビンビンにダメージが蓄積されて行きます。途中のピークの金山谷ノ頭あたりは尾根が痩せて崩壊しててロープが張り巡らされてます。
17時ごろ、やっと水場のある神ノ川乗越に到着。
神ノ川・・・・・・文字通りその時の私にはそんな感じ。(笑)
でも沢を見ても枯れてて、あるはずの水がない・・・・・・
あれ?もうちょい先かな・・・・・・地図を見てもその先はしばらく登り勾配で沢らしきところは大分先になる。5万分の1の縮図なので、等高線にかくれた沢でもあるかなと、300mほど先まで行くがやはり登り続きだ。
また神ノ川乗越に戻る。
その前後をまた行ったり来たりするが、「ここが水場です!」みたいな標識は全くない。
試しに枯れた沢に下りる・・・・・・50mほど歩く・・・・・・まだ水はない。
が、なんか聞こえて来る・・・・・・・川の流れる音だ!ヤッタ~!
水は、神ノ川乗越から200~300mくらい下のところから、ほとばしり出てました!
いや~。ほんと神ノ川デス。
水をガブ飲みして、顔と手を洗い、頭にたっぷり水をかぶり、プラティパスとナルゲンボトルに満タンに水を補充しました。
縦走って水の確保が最優先なのかなと改めて実感した時です。
水場を探して、右往左往してたこともあって、蛭ヶ岳2km手前の臼ヶ岳(1460m)山頂に着いたころはもう18時。
水をめぐるドタバタ劇が終わると・・・・・なんか、ヤケに腹は減るは、足は疲れてきたは。。。
取り合えず飯食うしかないなと思い、ドラゴンフライでお湯沸かして、フリーズドライのご飯を3パック食べました。DFの轟音って、DFがガンガン頑張ってる証のようなもんなんですね。
この時くらい、あの騒音を親しみを込めて心強く頼もしく感じたことはなかったです。
なんつってるうちに日が暮れ・・・・・・
日が暮れて真っ暗になる直前に鎖場とロープ場は抜けたものの。
ほんとに真っ黒な足元を、ティカXPで照らしながら、びびりながら最後の急坂は登りました。
山側に重心を残して、谷川に細心の注意を払って、焦らない様にゆっくりゆっくり登りました。
急坂で、足元が3~4m先しか見えないので、終始ほぼ4つん這いに近い体勢。
時折り、急坂に腰掛けて休み、その時眺めた西の空には・・・・・・・
富士山から今日登ったピークのシルエットが、夕暮れにくっきり映えていました。
20:08 やっと蛭ヶ岳山頂に着きました。
山頂から見える神奈川、東京の夜景は、息をのむくらい綺麗でした。
まずは、小屋番の方に、カクカクシカジカで遅くなっちゃいましたが泊めてくださいと、お詫びと宿泊の依頼です。
ここの山小屋消灯20:00ですから、ほんとは18時ごろには着いておくべきでした。
話しを伺うと、檜洞丸の青ヶ岳山荘は、現在は事前予約があれば、小屋番の方が出向いて宿泊の準備を行っているが、通常は避難小屋扱いになっており、人が常駐していないとのことでした。
山小屋の方、親切に、わざわざビールも出して下さいました。
就寝前のひととき、振るような星と、星のような夜景を眺めながら美味しく頂きました。
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